Sマークの羽田、福岡線の運航開始時点の運賃は、片道一万三千七百円と大手の通常運賃の半分近く安かった。
エア・ドゥの羽田札幌線の片道運賃でも一万六千円と大手よりも四割弱安かった。
しかし、九九年三月以降、大手三社は割引攻勢を強化。
特定便割引により、実質的に運賃を横並びに設定してきた。
このため二社は搭乗率の低下に悩み始めている。
二社とも三月までは平均○○%前後の高い搭乗率を挙げてきたが、四月にはSマーク(羽田福岡線のみ)五六・五%、エア・ドゥ六五・一%、五月はそれぞれ五七・六%、六二・六%となり、いずれも採算ラインと言われる七O%を下回った。
こうした状況を受け、Sマークは片道運賃を当初の一万三千七百円から七月に一万六千円に値上げし、経営体力を温存させる方針を打ち出した。
新しく運航を始めた伊丹、札幌線も団体依存度が高く、団体営業が遅れているSマークは苦戦が続いている。
羽田空港の新滑走路の完成を受け、羽田の発着枠は二000年にさらに増える見通しで、新規航空会社の発着枠も増える公算が大きい。
ただ、日航、全日空のいずれもこれ以上の機体の整備の受託に難色を示している。
もしこの姿勢が変わらなければ、新規航空会社も自社での整備体制をつくるか、海外の航空会社に委託するなどの対策が必要になってくる。
新規航空会社の経営は正念場を迎えている。
変化激しい欧米流通業米電子高取引、競合から融合インターネットの普及が米小売業に変革を促している。
低コストの通信インフラはネット販売専業の成長を支え、アマゾン・ドット・コムに代表される新興企業は各業界でシェアを奪った。
自らの地位を脅かされた伝統的な企業は対策に奔走している。
しかし、ネット企業の大半は依然として赤字。
売り上げ急増に反比例して損失が膨らむ連鎖を断ち切るため、リストラに取り組むところも少なくない。
米電子商取引は「店舗対ネット」という対立・競合のチャネル論争から、並立・融合による新たなビジネスモデルの模索に構図を変えてきた。
ネット販売、百貨店メイも参入米流通業界でネット販売否定の最後の砦が崩れた。
「顧客と対話ができる店頭こそ最重要」との姿勢を貫いてきた百貨店三位メイ・デパートメント・ストアーズのジーン・カーン社長は、コンサルタント会社を雇いネット販売参入を具体的に検討し始めたことを明らかにした。
メイは九九年、五億ドルを投じて十入店を開き二十九店を改装するなど、店頭重視の姿勢は堅持している。
ところが、収益拡大を店舗網の拡充だけに依存していては、企業の将来像を描きにくくなっている。
米国では商業施設の過剰感も漂い、大型店の出店余地は限られる。
特に百貨店業界は再編が一段落し、「買収候補を探すことすら極めて難しい」(最大手のフエデレーテッド・デパートメント・ストアーズ)状況だ。
総合小売業大手シアーズ・ローパックのアーサー・マルチネツ会長は「アマゾンの躍進は我々に未開拓の分野があることを知らしめた」と強調する。
隣の芝生は青いとばかりにネット販売を本格展開する動きが後を絶たない。
その業種はホームセンター最大手のホーム・デポ、事務用品二位のステーブルズ、サングラス専門店のサングラスハットなどと幅広い。
衣料品専門店のギャップは現行の「ギャップ・オンライン」に加え、低価格帯の「オールド・ネイピー」、三十代向けの「Bリパブリック」でも専門のホームページを立ち上げるため、社内にプロジェクトチームを設置。
ディスカウントストア一一位のデイトン・ハドソンも電子商取引を統括する新組織を設けた。
全米小売業協会の推計によると、米小売売上高全体に占めるネット販売の比率は九八年で約一%に過ぎなかったが、九九年は二三%に膨らむ見通しという。
崩れるアマゾンのN神話電子商取引の業界誌などで、アマゾンを「電子商取引に参入する」という意味の動詞として使う例が増えている。
それほどアマゾンはこの分野の代表企業と扱われる証拠だ。
九五年に書籍のネット販売を始め、今や本だけでなく音楽ソフトのネット販売でも首位に立った。
しかし、九九年春に最高値を付けた同社の株価は三カ月余りで半分に急落。
売り上げ増でもいっこうに黒字転換の気配が感じられないことに、投資家が不信感を抱き始めたことが大きな要因だ。
同社は一時、店舗と店頭在庫を持たない効率的な専業モデルを築いたと評されたが、そのか神話。
も崩れつつあるようだ。
注文を受けてから商品を短時間で全米に配送するには、大量の在庫と大型物流センターが不可欠。
このほど自社センターを五カ所開設、現在も四カ所に建設中だが、設備投資の増加が赤字幅拡大の一因になっているとの指摘もある。
店舗を持たないことによるコスト競争力にも疑問が出ている。
米調査会社のガートナーグループによると、電子商取引のホームぺージの開設費用は平均で百万ドル。
ネット企業の乱立で、競争力維持のために人手をかけた独自のコンテンツ(情報の中身)を開発する必要もあり、費用は毎年二五%Jする。
ネット企業の収益モデルが十分に確立されていない半面、検索や双方向性などの機能をもっインターネットの登場・普及は、「セルフ販売方式誕生以来の流通草命」との評価も根強い。
ネット販売に進出した伝統的小売業の問では、既存事業にネットを組み合わせて最適事業モデルを模索する動きも活発になってきた。
一ドルで入札したパソコンが千四十ドルで落札パソコン販売最大手のコンプUSAは九九年六月、在庫処分を目的にネット競売に参入した。
店舗で安売りしても周辺に住む顧客の需要に合わなければ売れ残ってしまうが、全米を網羅するネットを使うことで、消化率が高まるとの判断だ。
ドラッグストア三位のライト・エイドは九九年六月末、アマゾンが株式四六%を保有するドラッグストア・ドット・コムに資本参加し、株式二五・三%を取得することを決めた。
ホームぺージ上で処方せん薬の注文を受け、全米三十三州の店舗で手渡す仕組み。
業界二位のCVSも大手ネット薬局ソーマ・ドット・コムを九九年五月に買収しており、ネットと店舗の融合も進みそうだ。
Tのロパート・ナカソネ社長も、「ネット企業からモノを買って返品する場合、消費者は郵送する手間と費用が必要だが、我々の場合は千五百カ所の店を返却窓口に利用してもらえる」と、ネット事業でも店舗網のインフラを持つ優位性と有用性を説く。
小売業最大手のウォルマート・ストアーズは、百貨店最大手フエデレーテッド傘下の通販会社フインガーハットと、ネット販売にかかわる配送業務の委託契約を交わした。
九九年秋をメドにホームベージの全面刷新でネット販売を本格化するのに先立ち、インフラ整備に力を入れるのが狙いだ。
欧州高級"ブランド再編の目玉はーVMH「ルイ・ヴィトン」「C・デイオール」「ドンペリニヨン」などを傘下に持つフランスの高級ブランド企業、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(ーVMH)の買収攻勢がとどまることを知らない。
九九年に入って仏高級ワイン「シャトー・デイケム」の買収を完了したほか、イタリアの皮革ブランド「グッチ」に買収を仕掛け、ブランドの世界制覇を進める。
結局、グッチ買収は失敗したが、資本の論理を持ち込んだーVMHのブランド戦略は、伝統に裏付けられた業界の構造を根底から変えようとしている。
米国市場狙ったグッチ買収は失敗ーVMHは九九年グッチ買収に事実上失敗した。
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